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世界最長のマラソン大会（1ステージレース）
『本州縦断・青森～下関1550kmフットレース2021〈SPECIAL〉一斉スタート』
大会12日目（2021年5月5日）
【本日の走行ルート（予定）】
高岡駅(富山県高岡市) 4:00－小松駅(石川県小松市)18:00 80km
（※大会スタート前の予定）
現在は富山県朝日町の泊駅まで走行済。
宿泊場所の都合で魚津市魚津駅前のホテルに滞在中。
【道中記】
昨晩は早めに寝たこともあってか、夜中に何度も目が覚める。
大会がスタートして以来の久しぶりの長い睡眠時間。
しかし脚が気になることもあり熟睡とはいかない。
そして目が覚める度に脚が気になり、
どんな感じか確認するが、やはり痛いまま。
そんなことを何度か繰り返し、朝に。
とりあえず起き上がり、左足先をそっと動かそうとするも動かない。
無理に動かそうとすると激痛が走る。
昨日と全く同じ状態。
ベッドから立ち上がりトイレに行くだけでも大変。
壁に手をつき左足は着かないよう移動する。
部屋の窓から外を見る。
雨だ。
この脚の状態で、この雨の中進めるのか。
無理だ。
とてもじゃないが進めない。
考えた結果、今日一日はこのまま休むことに。
フロントに電話し確認すると、今の部屋でそのまま泊まれるとのこと。
連泊の手続きをする。
テレビをつける。
めざましテレビが放送されている。
4月からの新テーマソング、YOASOBIの「もう少しだけ」が流れる。
朝の情報番組を観るのも久しぶりだ。
世間はどうやらゴールデンウイークらしい。
大会がスタートして12日目。
すでに曜日の感覚はない。
頭にあるのは「時間」と「距離」。
今現在何時で、目的地まであとどのぐらいかかるのか。
それだけを考えてここまで進んで来た。
そんな中、急遽できた休養日。
テレビでは「札幌チャレンジハーフマラソン」が始まった。
東京オリンピックの前哨戦ということで、服部選手と女子の代表3選手が出場。
本来は観ることができなかったわけで、観れてラッキーと思うものの、
自分の脚が気になり内容は全く頭に入ってこない。
気が付くとお昼の時間。
昼ご飯、晩ご飯の買い出しに駅前の魚津ショッピングスクエアへ。
まさかの3日連続での利用。
最初来た時にどのお弁当にしようか迷ったが、
3日間で結局迷ったお弁当全種類を食べることに。
その他体に良さそうな物をいろいろ買い込みホテルに戻る。
昼食を食べ、特にすることもないし、
とにかく休養が必要とのことなので寝ることにする。
しかし眠れない。
この先、左足がどうなるのか。
この後のレースをどうするのか。
そのことで頭の中はいっぱい。
昨日今日と2日間休んでしまった。
元々の予定でも最終日ギリギリでのゴール予定。
仮に明日怪我が治ったとしても、この2日分の遅れを取り戻すのは容易ではない。
ましてや今のこの脚・・・。
1km進むのに15分。
4kmで1時間。
40kmで10時間。
1日で80km進もうと思えば20時間。
実際にはコンビニ、トイレ等でさらに時間がかかる。
午前3時に出発しても目的地到着が深夜0時ごろ。
1日だけならともかく、これが残り12日間毎日だ。
0時に着いて食事を取り、翌日の準備をして睡眠。
そして3時にはもう出発。
そこから20時間以上進み続ける。
これを毎日・・・。
想像しただけで気が遠くなってくる。
そして必然的に夜間走が多くなる。
失敗した。
柏崎で予備のライト、反射板、モバイルバッテリーなどを
軽量化のために置いてきてしまっていた。
夜に長時間進む準備が全くできていない。
これは厳しい。
左脚さえ治れば・・・。
しかし肉離れは治るまでに1か月ほど。
大会中に治ることはない。
何度も頭の中でこの先のシミュレーションをしてみる。
しかし何をどう考えても、
5月17日22時の制限時間には、
間に合わない。
『ここまでか。』
リタイアが頭をよぎる。
大会前、ゴールできるかどうかは自分でも半信半疑だった。
もしかしたらゴールできないかもしれない。
そう思ってもいた。
でもそれはもっと先の話。
鳥取か、島根か。山口に入ってからか。
途中で動けなくなるかもしれない。
ぎりぎり間に合わないかもしれない。
大会終盤に、
そういう状況が来るかもしれないと思っていた。
それでも行けるところまで。
進めるところまで。
そう思ってスタートした。
少なくとも京都までなら行けるだろう。
そう思っていた。
それが富山でなんて。
まだ610km地点。
半分も行っていない。
ここで終わり。
まだ12日目。
まだ5月5日。
それなのに。
ここまでのことが頭に浮かんでくる。
実家から秋田までシューズを持って駆け付けてくれた両親。
家族みんなで進んだ新潟から柏崎までの道。
忙しい中快く送り出してくれたC部長。
1年前、この大会のためにブログを立ち上げ、
青森から下関まで走ると宣言してきたこれまでの毎日のこと。
それなのに。
ここで終わり。
ゴールはできない。
涙がポロリ、ポロリこぼれ落ちます。
18時18分 魚津駅前のホテルの部屋から。
この日は結局一日中雨。
そしてここで、大会スタート前に予約していたこの先の宿泊先をすべてキャンセル。
あんなに何度も考え、苦労して決めたスケジュールと宿泊先。
でももうあの予定で進むことはできないので仕方ありません。
晩ご飯を食べ、ブログを書きます。
何をどう書くか悩んだ結果、とりあえずは無難な内容で更新。
もっと同情を引くようなことや、
今の自分の内面をそのまま書きたい気持ちもあったけれど、
ここは堪えます。
リタイア寸前だけれど、まだ自分には
ランナーとして、選手としてのプライドがあります。
【本日の走行ルート（実績）】
なし
【走行記録（ガーミンコネクト）】
なし
【各選手のチェックポイント到達状況】
※12日目（2021年5月5日 23時59分時点）
「CP30.市街・西津田交差点」1231.3km（島根県松江市）
１．No.11 林原選手 12時13分
「CP28.鳥取砂丘会館前」1105.3km（鳥取県鳥取市）
２．No.2 倉井選手 8時52分
「CP25.京都府・兵庫県境」1015.5km
３．No.7 竹内選手 15時14分
４．No.15 濱田選手 17時31分
５．No.9 奏選手 18時21分
「CP22.松尾寺前・県道564号線分岐点」949.8km（福井県・京都府境）
６．No.3 小島選手 9時18分
「CP21.海岸通り・人魚の像前」919.4km（福井県小浜市）
７．No.5 高品選手 16時50分
「CP20.西野神交差点・県道225号線分岐点」873.9km（福井県敦賀市）
８．No.6 武井選手 12時09分
９．No.13 松本選手 15時11分
「CP19.市街・裁判所前交差点」810.0km（福井県福井市）
１０．No.10 野田選手 18時24分
「CP17.市街・兼六園下交差点」730.1km（石川県金沢市）
１１．No.8 中畑選手 17時00分
「CP14.境橋」608.9km（新潟・富山県境）
１２．No.1 いちあし選手 14時00分（5月3日）
１３．No.12 原選手 14時09分（5月3日）※途中棄権
「CP5.市街・山王十字路交差点」179.7km（秋田県秋田市）
１４．No.14 吉澤選手 21時21分（4月25日）※途中棄権
トップのNo.11 林原選手、島根県へ。
2位のNo.2 倉井選手とは100km差。独走体制へ。
3位争いは3選手による大接戦です。
選手紹介はこちら↓ 選手の写真等、更新しました！
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【次回予告】
変わらない左脚の状態。
それでも意を決し先に進むことに。
できるだけ脚が痛まないよう、一歩一歩注意して。
目指すは2日前電車で来た富山駅。
次回 本州縦断フットレースSPECIAL 13日目
『たとえ走ることはできなくても。』
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