いちあし『ぶ、部長!』
部長「ん?」
いちあし『あの、今お時間よろしいでしょうか。』
部長「なんだ?」
いちあし『実は折り入って相談したいことがありまして・・・。』
部長「どうした?珍しいじゃないか。お前が相談だなんて。」
『はい。実は今度お休みを頂きたくて・・・。』
「? 休んだらいいじゃないか。」
『はい。それがその、1日とか2日とかではなくてですね・・・。』
「なんだ。」
『その、1か月ほど・・・。』
「1か月!? なんだ、どうした?」
『はい。実は私、趣味でマラソンをしておりまして。』
「お、マラソンか。カッコいいじゃないか!」
『は、はい。それで今度とある大会に出場しようと思っておりまして。』
「海外でも行くのか?」
『いえ、それが国内なんですけれども。』
「!? 国内で1か月?」
『はい。それがちょっと普通のマラソン大会ではなくてですね。』
「トライアスロンか?」
『あ、いえ、ただ普通に走るだけなんですけれども・・・。』
「??」
『その、距離がですね、ものすごく長くてですね。』
「どのくらいだ?」
『あの、1521kmほど・・・。』
「1521km!?」
『はい・・・。』
「ちょっと待て。1521kmってマラソン何回分だ?」
(カタカタカタ・・・(電卓を叩く音))
「36回分!!マラソン36回分も走るのか?」
『はい。』
「本当か!お前すげえな!!」
『はい。それでそれだけ走るのでどうしても1か月ほど休まないといけなくてですね・・・。』
「そうか。でも1521kmって言ったらほぼほぼ本州の端から端までじゃないか。」
『!!』
「?」
『さすが、部長。』
「??」
『そうなんです!青森から下関までなんです!』
「!?」
『青森から下関まで走る大会というのがあって、それに参加するんです!』
「・・・青森から下関まで??」
『はい。』
「お前が?」
『はい!』
「青森から下関まで!?」
『はい!! 青森から下関まで走り・・。』
「素晴らしいっ!!
行ってこい!!!」
『・・・。』
『い、いいんですか?』
「ああ、今しかできないことだから。」
『ぶ、部長・・・(涙)。』
C部長の男気に応えるためにも
青森から下関まで精一杯がんばります。
C部長、行ってきます!