速く走れないなら死んでいるのと同じ 陸上 福島千里「スポーツ×ヒューマン」☆20201120

 

NHKで放送されています「スポーツ×ヒューマン」。

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10月26日にNHK BS1で放送されたのが

『速く走れないなら死んでいるのと同じ 陸上 福島千里』。

www.nhk.jp

 

衝撃的なタイトルが気になり見てみたのですが、

とてもよかったのでその内容をお伝えします。

 

 

その前にまずは福島選手について。

 

陸上短距離の選手で、3大会連続オリンピックに出場。

女子100m、200mの日本記録保持者。

現在32歳。

 

言わずと知れた日本のトップアスリートで、

その圧倒的な速さ、強さが印象的ですが、

インタビュー等で見せる天然な、ほんわかした雰囲気が

印象に残っているという方も多いのではないでしょうか。

 

インタビュアーの質問にすぐに答えられず、

言葉に詰まってしまう福島選手をテレビで見る度に、

『「はい」か「いいえ」で答えられる簡単な質問にしなきゃダメでしょ!』

と1人でテレビのインタビュアーにツッコんでいた私。

 

今回の「スポーツ×ヒューマン」では、

そんな口下手な様子の福島選手への密着取材を行ったということで、

果たしてどんな内容になるのか、期待と不安の中、番組を観ます。

 

今回のインタビュアーは陸上経験者で、

なんと福島選手と共に日本代表の合宿、試合も経験し、

お互いになんでも話せる間柄とのこと。

 

以下、福島選手の発言を中心に内容をまとめてみました。

 

 

* * *

 

 

今シーズン、日本選手権すら出られないかつてない苦境。

高校生にも勝てない。

福島に何が起きたのか。

誰も知らない福島千里

一年を追った。

 

 

 

2020年3月 沖縄合宿

『速く走るためにやっているから。結果が速くないといけないから。』

『想像の範囲外のことがやりたい。想像の範囲内で収まりたくない。』

『例えば今25階から落ちると骨が折れるってみんな分かっているから飛ばないだけで、分からなかったら飛べる。それをやりにいかなきゃいけない。

走りの中で一歩一歩やっていかないと。

例えば1階から飛び降りて大丈夫だった。次は2階。3階。

そういうことを一つ一つやっていかないと。

でもそれって、想像以上に怖いこと。』

『最後と決めているなら、アキレス腱がちぎれても別にいい。』

 

当面の目標は「100m 11秒80」日本選手権参加標準記録を切ること。

 

3月末。東京オリンピック延期が決定。

 

 

2020年7月 東京選手権(今シーズン初レース)

レース結果「12秒56」。練習でも考えられないタイム。

レース後の記者会見。

『今日が本番じゃなくてよかった。』

『オリンピックの延期はプラスにするしかない。

でないと今、走っていない。』

 

密着取材でのインタビュー。

『結果、悪かった。原因はこれから考える。簡単ではない。アキレス腱の不安はなかった。

イップスみたいな感じかと問われ)

それ自分が認めてどうなる。そんなこと聞かれるとは思わなかった。違うと思う。技術的な問題ではない。「イップスです」って言った方がその先の質問はないよね。イップスだと思う?そう思うから聞いた?嫌な質問は何度もされているし。』

 

翌日改めてインタビュー。

『自分の体を使って不振の原因を探していかなきゃいけない。

分かっているから感覚を信じる。不安だからビデオを信じるじゃなくて、

見えない何かを探しにいってんじゃん。焦るな、焦るな、答えを。』

『私はそういう人じゃないから。伝えることに対してエネルギーを使っていない。

練習。自分自身に向き合うために使っている。』

『自分にエネルギーを向けるのは速く走るため。それしかない。

自分のエネルギーの量は決まっている。それをどう使うかは自分次第。

自由にさせてほしい。そこぐらいは自由にさせて。』

 

 

2020年8月 大学での記録会

複数参加し続けるも、結果はすべて12秒台。

 

2020年9月 日本選手権の標準記録を狙う最後の大会

レース結果「12秒27」。標準記録切れず。

『日本一を決める大会の土俵にすら上がれないというのは、考えられない。選手としてダメかな。』

 

シーズンオフになって

『走ってみてやっと得られる感覚、初めてわかる。

例えば11秒2で走ってみないとその速さ、スピード感は分からない。

それをどんな感覚だった?と聞かれたときに、

たぶん「いや、すごい速かった」みたいな。

感覚を言葉にするのは本当に一部であって、もっともっと奥深いところには、自分の体に刻まれたものが本当にたくさんあって、言葉にできないものなのではないかな。

全てはつながっているのではないかと思います。』

 

 

福島千里は速く走ることに全てをかけている。

速く走れないなら死んでいるのと同じ。

 

 

* * * 

 

 

気心が知れた相手がインタビュアーということで、

福島選手の今までに見せたことがない一面がたくさん見れたのではないかと思います。

特に、

『私は伝えることに対してエネルギーを使っていない。

自分自身に向き合うために使っている。それは速く走るため。』

のところは、なるほどと納得しました。

彼女がインタビュー等で口下手なのも、実はこういう信念があるからなのでしょう。

 

今はスポーツ選手に対して、スポーツの結果のみならず、

SNS等での発信力が求められる時代。

でもそんな中にあっても、ひたむきに自分と向き合い、速さを追い求めている福島千里選手。

私はもっともっと応援したくなりました。

 

 

福島千里選手のプロフィールはこちら

www.seiko.co.jp