先週7月22日から23日にかけて放送されました
フジテレビ系「FNS 27時間テレビ」
その中の目玉企画である
「100kmサバイバルマラソン」
必要以上に休憩を取らなかった場合、
一体いつゴールできるのか?
という某24時間テレビへの当て付けともとれるこちらの企画。
優勝はハリー杉山さん。
スタートしてから約16時間30分後の午前11時33分にゴール!
私はとても楽しく番組を拝見したのですが、
放送終了後に思わぬことが話題になりました。
それが
「井上咲楽さんがゴールした後、
倒れ込んでいるのにスタッフ等誰も
すぐ介抱せずに放置した?問題」
です。
当初は真っ先に駆け寄り氷嚢を手渡すなど
井上さんを介抱した東京ホテイソンのたけるさんを
称賛する声が多かったのですが、
いつしか、
すぐに介抱しなかった番組スタッフと企画したテレビ局を
非難する声が多数に。
そこで今回は、
井上咲楽さんのゴール後に一体
何が起きていたのか?
そして
何が問題だったのか?
を検証し、考えてみたいと思います。
ではまずはこちら↓をご覧ください。
問題となっている、井上咲楽さんがゴール後にうずくまっていて、
そこにいち早く駆けつけた東京ホテイソンのたけるさんが介抱している場面。
まず今回の件で私が一番最初に言いたいのは、
今回の井上咲楽さんの件は
『騒ぎすぎ』だということ。
そして次に、
私は声を大にして言いたい。
『この場面がもし問題であるというならば、
もう一つ同じように問題に
しなければならない場面があるではないか』と。
それがこちら↓
同じ27時間テレビで、この日8本目となる400m走を走り終え、
仰向けに倒れ込む森脇健児さん。
森脇さんのところに駆け寄るスタッフ、共演者は皆無。
”すぐに介抱”どころか
この後”ずっと放置”される森脇健児さん。
そしてそれをネット上で非難する声は・・・
ゼロです! (by TOKYO MER 工藤美桜)
なぜ井上咲楽さんがすぐに介抱されないことに対しては
あんなに非難する声が上がるのに、
森脇健児さんが放置されたことに対しては
非難の声が上がらないのでしょうか?
井上咲楽さんが若くてきれいな女性で、
森脇健児さんがしょーもないおじさん
だからでしょうか?
うん、きっとそう!!
(そうなんかいっ!!)
(そして誰がしょーもないおじさんや!)
という冗談は置いておいてですね。
ではここからは真面目にいきます。
今回の介抱問題。
結局のところは「競技性の違い」。
そして「100キロマラソンに対する理解度の低さ」
が原因であると私は考えます。
どういうことか。
まずは「400m走」。
実際に400mを全力で走ったことがある人は少ないのかもしれませんが、
おそらくはその苦しさ等は誰でも想像できることでしょう。
森脇さんのようにゴール後に倒れ込んだ場合、
『呼吸が苦しくて倒れ込んだ』
とまずは思うのではないでしょうか?
この場合は一旦様子を見るケースがほとんどかと思います。
一方の「100kmマラソン」。
こちらは世の中のほとんどの人が走った経験が無く、
だからこそその苦しさ等を正しく想像することができない。
そのため代わりに頭に思い浮かぶのが
「某テレビ局で毎年放送されている100キロマラソン」。
体力の限界で体はボロボロ。歩くのもやっとで
意識朦朧としながらなんとかゴールするタレントさんのあの姿。
もしゴールで倒れようものなら
『ヤバい!緊急事態!今すぐ病院に!放送事故!』
と大騒ぎになるのが目に浮かびます。
そして今回の
「100kmサバイバルマラソン」。
某テレビ局の100キロマラソンと大きく異なる点は、
大会ルールにより97kmまでは先導車に導かれ一定のゆっくりペース。
ラスト3kmが各選手自由なペースだったということ。
完走した6選手のラスト3kmのタイムを計測してみました。
1位:ハリー杉山 12分30秒(1km4分10秒ペース)
2位:ワタリ119 12分52秒(1km4分17秒ペース)
3位:大倉士門 14分15秒(1km4分44秒ペース)
4位:井上咲楽 16分47秒(1km5分36秒ペース)
5位:団長安田 19分01秒(1km6分20秒ペース)
6位:山本賢太 19分37秒(1km6分32秒ペース)
井上さんはラスト3kmを
フルマラソン4時間完走ペース
で走っていたことがわかります。
97km走ってきた後でのこのハイペース。
おそらくは最後の力を振り絞っての
全力疾走だったことでしょう。
某テレビ局の100キロマラソンのゴール時とは
明らかにそのスピードは違います。
以上を踏まえて頂いて、ではこの記事の冒頭の
井上咲楽さんがゴールした場面
に戻ります。
ゴール直後、手を付き這いながらステージ中央からやや端へ移動した井上さん。
一度立ち上がりかけたものの、その場にうずくまり手を付きます。
(ゴール後ここまで10秒。)
『座ってよう、座ってよう。』という共演者からの声。
画面奥、ステージ反対側に氷嚢を手に持った
東京ホテイソンのたけるさんの姿が確認できます。
(ゴール後ここまで17秒。)
Tシャツで顔を拭うも、まだ手を付きうずくまったままの井上さん。
そこに駆け寄り声をかける東京ホテイソンのたけるさん。
(ゴール後ここまで24秒。)
以上が井上咲楽さんがゴールした際に起こった出来事。
そして東京ホテイソンのたけるさんが駆け寄るまで
30秒近くの間、誰も井上さんを介抱しなかったことを
ネット上でやいのやいの言っているわけです。
いやね、これはスタッフさんは難しいと思います。
ゴールするまでフラフラしていたりとか
明らかに具合が悪そうであれば、
確かにゴールと同時に即介抱してあげなければならないし、
実際そうしていたでしょうが、
しっかり走れていたわけですから。
ゴール後に倒れ込んだのが
「体調不良によるものなのか?」
「呼吸が苦しいからなのか?」
これは似ているようで全くの別物。
そして井上さんの全力疾走を目の当たりにすれば
後者の方と考えたとしても、それはごく自然なこと。
更にはスタッフさんの判断をもう一つ悩ませたのが
「ゴール直後がタレントにとっての最大の見せ場」
だということ。
そのために100km走ってきたといっても過言ではないでしょう。
その最大の見せ場にスタッフが割り込んできたら
タレントとしてはたまったものではありません。
もし森脇さんのあの仰向けの場面でスタッフが近寄って来ようものなら、
きっと後でこっぴどく𠮟られることでしょう。
井上さんを今介抱していいものか、
表情などを撮るために少し待った方がいいのか迷ったはず。
それでもゴールして10数秒後には
実際に介抱する行動を開始していたわけで、
今回のスタッフさんの対応は
決して責められるものではないと思います。
以上のような背景があるにもかかわらず
それでもここまで非難の声が上がるのは、
やはりあの某テレビ局の100キロマラソンの影響が大きいのかなと。
全身ボロボロの状態でゴールし、ゴールと同時に椅子に着席。
その後はまるで病人かの如く至れり尽くせりの介抱。
そしてその様子から連想したのであろう
『かわいそう。つらくて見ていられない。』
『何のために走っているのかわからない。』
『仕事で仕方なく走っている。』
等々のまるで罰ゲームかのようなマイナスのイメージの数々。
以前にも書きましたが、
マラソンは罰ゲームなんかじゃない
んです。
自己実現、自己表現の場です。
ゴール後に井上咲楽さん、団長安田さんが泣いていましたが、
あの涙にどんな思いが込められていたのか。
100kmを走ろうと思い、実際に走り切った人にしかわからないものが
そこにはありますが、
それがもっと多くの人にも伝わり、届けばいいのにと思います。
最後に。
6位で完走した山本賢太アナが疲労骨折していたとのこと。
『骨折していながら100キロ走り切るなんて。
ヤマケン、お前ってホントにバカだな~(泣)』
(※この場合の「バカ」は最高の褒め言葉です。)
それともう一言。
今回出場した18選手のことを、
世間はマラソンの素人とか言ってナメすぎ。甘く見過ぎ。
皆さんしっかり練習してこの大会に出場されています。
特に井上咲楽さん!
フルマラソン自己ベスト「3時間34分40秒」は物凄い記録!
マラソンをしている方の中の速い方の上位10数%に入る実力ですからね!!
ちなみに私は日テレ24時間テレビのマラソンも好きです。
目標に向かって頑張っている姿はみな立派です!
井上咲楽さん、フルマラソンサブ3.5達成です!